現代の街並みは半世紀にわたり大量消費・生産・廃棄型の建築により作られてきた建物がほとんどであり、デザイン的にもグローバリズムによって町中に同じような建物が溢れている。
環境問題や情報化社会に対応していくために循環型の社会構築やIT化推進にも政府や企業が積極的に取り組んでいた。
しかし、2020年以降の新型コロナの世界的蔓延により人々の生活パターンが変わり価値観も以前と全く違うものに変化している。経済も例外ではなく価値観が変われば需要も変わり建築業界だけに限らず殆どの全ての業界の方向転換が必要になってきた。
そこで改めて、2020年に最もよく耳にしていたSDGs、Society5.0、DXについて掘り下げて考えていこうと思う。
(著 小森健一朗)
SDGs(Sustainable Development Goals) 持続可能な開発目標
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
外務省
SDGsとは (外務省)WEBページ

Society5.0
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
内閣府
society5.0 内閣府 WEBページ
- 狩猟社会(Society1.0)
- 農耕社会(Society2.0)
- 工業社会(Society3.0)
- 情報社会(Society4.0)
DX(Digital Transformation)
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
経済産業省
経済産業省(METI)のDX WEBページ
DX推進ガイドライン(経済産業省) PDFダウンロード
DXの具体例
- AI-OCR
- 行動認識
- ロボット
- チャットボット
- 画像採寸
- 自動運転
- ドローン
建築業界としてどのようにDXに関わっていくかについては、上記ドローンは既に建物調査・施工管理においても採用されており2022年を目途に目視外飛行を免許制にする予定との事。
UDX(Urban Digital Ttransformation)
国土交通省も積極的にDXを推進しており、既に「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション(UDX)」という取組を始めています。
概要はこちら PDFダウンロード
前述のUDXは日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化事業としてProject PLATEAUという名前で既に全国56都市の3D都市モデルの整備を完了し、開発したユースケース44件を公開しています。
現在、首都圏だと東京都は23区全域、埼玉県5市、神奈川県4市がモデル地区だが千葉県は柏市だけなのが残念。
これらのオープンデータを見るためにはブラウザベースのWebアプリケーションであるPLATEAU VIEWが必要ですが、インターネット環境があればPCから見ることが出来ます。
プラトーで出来る事
- スマートフォンなどが発する電波を活用した混雑状況のモニタリング
- 実際のBIMモデル(虎ノ門ヒルズビジネスタワー)を使用したVR避難シミュレーション こちらから
- 都市計画基礎調査情報を用いて過去からの建物用途の変遷を時系列で見られる。
- 3D都市モデルを用いて新宿三丁目エリアの百貨店とその周辺をバーチャル空間で再現。伊勢丹新宿本店はレヴ ワールズ(REV WORLDS)というスマホ専用アプリからログインするとゲーム感覚で伊勢丹の外と中を動き回れます。店内で商品を選ぶとECサイトから購入できるようですね。
インストールはこちら - 現在56都市の地域地区・道路・地価情報が見れる。用途地域や防火地域、高度地区など都内23区を纏めて見れるのが便利。
- 現在の洪水浸水想定区域図に高さ情報を加えた3D都市モデル
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